今回ご紹介のGRASランプは205モデル、RAVEL社の刻印が入るタイプ、
通常の205モデルをご存知の方ですと幾つかの違いがあるのが判ると思います。
まずはアームが短く207モデルと同じ長さのアームが使用されています。
さらにその短いアームに合わせ、シェードも小ぶりな1056が使用されています。
この２点の変更で通常タイプと全く異なるものとなり、
かなりレアな仕上がりとなっています。

どうしてこのようなイレギュラーなタイプになったのかは判りませんが、
おそらくは当時の販売の際に可能だったカスタムオーダーなどで、
このようなタイプになったのかも知れません。

またランプベースの底を見る限り、元のカラーリングはグレーだったようですが、
グレータイプはシテ・ユニべルシテの学生寮の為に作られたタイプと言われ、
あの ル・コルビュジェ が特注したものとも言われています。
いつ頃、このカラーリングを落としたのかは判りませんが、
ERMITAGEは年代の経過を感じるコンディションを楽しんで頂きたいので、
特に弄る事も無く、見つけたままの状態でご紹介させて頂いております。

綺麗なデッドストックのような状態のものも素晴らしいですが、
古くに付いた傷や錆の雰囲気は直ぐに作ろうとしても難しいものです。
その辺りも踏まえて楽しんで頂けると ERMITAGE としても嬉しいです。